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2017-02-09

美しい街と、そうでない街

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羽島にある薩摩藩英国留学生記念館で、先日、「カフェ・アカデミア」というセミナーが開催されました(砂田光紀氏主催)。

ざっくりと、テーマは「街なみ」。ゲストスピーカーのお一人、イタリア生活の長かったイタリア料理店オーナー古畑好恵さんからのお話しに、ふと

「ああ、これこれ!」

と感じるコメントがありました。

美しいものをイタリア人は愛でて褒め合うけど、日本人は美しいものを見たとしても、それは自分とは別の世界のことと諦めてしまう。逆に、美しくないものを見てもスルーしてしまって論評はしない、、。

私がイタリアに留学していたある日、アパートの庭に犬が一匹柵に繋がれてわん、わんと吠えていました。

アパートの門番さんと3階ベランダに椅子を出して座っているシニョーラ(ご婦人)が大声でわんちゃんの論評をしていました。
誰の犬かしら?
会話はそこからはじまって、毛の色、毛並み、毛の白とブチの配分についての美醜、その吠え声が美しいかどうか、少し吠え過ぎではないか。庭とベランダでの対話は私の部屋にもよく聴こえてきます。

結論として、この犬はあまり美的でない&教育訓練が足りてない、というのが二人の対話の収斂して行き着いた先でした。(犬の飼い主にも聞こえていたとしたら随分失礼なハナシです(笑)。

・・・・・さて、ここから先はハナシが随分飛躍します。

昨年、レトロフトでも大きくこゝろを痛めて皆で声をあげた旧鹿児島銀行本館の取り壊しのこと。

あの建物が美しかったかあるいは美しくなかったか。
古い石造建築を捨て去ることがほんとうに豊かさへの道なのか。
そして・・・・将来ここに立ち上がる建築が100年の鑑賞に耐えうるほど美しいものかどうか?

30年前のあのご婦人ふたりに、そこんとこ=「対話の妙味」を私たち鹿児島市民にご伝授いただきたいと、心底思ったのでした。

美しい街は都市計画や規制以前に、こうした「なんでもないところ」「感性」から始まること、
私も古畑さん同様、イタリアで学んだのでした。

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