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2018-09-08

武骨でやさしい「男の手」の痕

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今さらですが、“自慢”させてください。

今どきは大工とはいっても、工場製作の部材をパタパタと組み立てるだけがほとんど。
でもレトロフトでは部屋の骨組みからトイレットペーパーホルダーまで、
全部が手作りなんです。

建築家がプランをたてて、この空間に夢を構築し、
それをたくさんの職工の面々が次々と「形」にしてきてくれたのが今のレトロフトです。

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バタヤンは、川畑くんというのが本当の名。
レトロフトMuseoが出来た10年以上も前からのお付き合いです。
ハンサムで頼もしい大工職人。

今、私はムゼオ竣工時の10年前の写真を見返しながら、
そして現在も進行中でほぼ9割がた完成しているムゼオへの階段改修の現場に立ちながら、
頑丈で、楽しくて、
武骨でやさしい「男の手」の痕を、、、じっと感じています。

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一番上の写真、
ドイツの古楽器ハープ製作者のクラインマンさん夫妻が初めて鹿児島におみえになり、
小さなハープをみんなで弾き合ったことがありました。

「彼はまるで天使のよう・・・・」

クラインマンさんと夫人が、私にそうささやいたのを覚えています。
>>その時のBlog
バタヤンのこの帽子の中の茶色っぽい髪の毛はちょうど天使の巻き毛のように、
クルックルだったからです。
それに瞳も、髪の毛と同じに奇麗なブラウン色でした。

その『バタヤン』の名を、
レトロフトを愛してくださっている皆さん、
ずっと、忘れないでいてください。

彼は一昨日の夕方、いつも通りにレトロフトでの大工の仕事を終え、
おそらくはいつもの通りに歩道でタバコの1本も吸って、
駐車場に停めた軽ワゴンに自分の荷物を乗せて、
いつもの通り、奥さんと娘さんの待つ家へとクルマを発進させて、
なのにその数秒後に突発性の心不全を起こし・・・・

彼に「大工」の腕を試してもらえる機会を、私たちは永遠に失いました。
42歳。

・・・・・・・・・・・・・

レトロフトは彼の記憶を、
その頑丈で、武骨で、優しい木工の《手触り》でレトロフトに来るたくさんの人々に
ずっと継いでいきたいと思います。

ムゼオ空間のやさしさはバタヤンの優しさそのものです。

ありがとう、バタヤン。
ありがとう、、、川畑くん。

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